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薬食同次元

白い花の咲く実

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7月に入りました。梅雨の雨が山々に恵みをもたらし、緑の色合いが日に日に濃く、深くなっています。朝夕の寒暖の差の大きい今日この頃、早朝には、山の合間に霧が立ち上り、木曽谷らしい風景が見られるようになりました。

  

夏に近づくこの季節に、野山に多くの白い花が見られます。ヤマボウシ、アカシア、蕎麦など、信州らしい風景が広がります。

白い花の中でも、見た目が特徴的で、且つ秋に美味しい実をつける2つをご紹介します。縄文時代から日本人の食生活に取り込まれてきた実は秋の味覚の代表選手ですが、その花は6月から7月にかけて木曽の山々を彩ります。

  

  

■栗

栗の花は、緑の葉をおおうほど白く長く垂れています。初めて見た時には、これが栗の花とは分からず、一体何の花かと不思議に思っていました。ススキを逆さにしたような穂状の花は雄花で、その付け根に雌花があります。雌花が栗の実になります。

  

栗は縄文時代初期から食用に用いられてきました。弊社から南に45分ほどの木曽郡上松町に「お宮の森裏遺跡」があります。2017年にこの遺跡の竪穴式住居跡から、約1万3000年前の栗が出土しました。食用としては日本最古とのことです。

  

なお、栗といえばとげとげのイガですが、イガは他の果物における皮にあたるそうです。その中にある栗が果肉と種。一般的に栗の皮と思われている鬼皮が果肉で、渋皮つきの中身が種なのだそうです。普段食べているのは甘い部分は種なのですね。

  

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■栃

栃の花は、上を向いて咲きます。巫女さんが舞の際に鳴らす鈴のようです。栃も小さな花の集合体です。100個以上の小花が集まり円錐状の花序を形成しています。花序には雄花と両性花が混在しており、両性花から栃の実の元となる果実が現れます。栃の花には甘い香りがあり、良質な蜜を持つこと、また花全体が大きく目立つため、多くの昆虫の蜜源になっています。

  

栃も実も縄文時代の遺跡からも出土され、古くから食用にされてきました。タンパク質が豊富に含まれるため、重要な栄養源であったようです。栃の実はサポニンやアロイン、タンニン(ポリフェノールの一種)を多く含み、強い苦味があります。食べる前に十分に灰汁抜きをする必要があります。根気よく灰汁抜きをして食用にするのは日本ならではの技術と文化とのことです。

  

信州では栃の実せんべいや栃餅がよく食べられます。また、古くは民間療法や漢方で使われており、煎じた液や焼酎漬は打ち身やねんざ、肩こりなどに使用してたそうです。

  

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