生薬とともに

渡邊智恵子様をお迎えして「座談会」を開催

crude_drug_240520_watanabechiekosan.jpg(渡邊智恵子様をお迎えして「座談会」を開催)

 2024年5月18日キハダ植樹の後、一般社団法人サーキュラーコットンファクトリー代表理事の渡邊智恵子さんをお迎えし「座談会」を開催しました。

 今年の植樹には、渡邊智恵子さんがご参加くださいました。渡邊さんは、株式会社アバンティ代表取締役創設者として、オーガニックコットンの日本への普及発展にご尽力された方であり、社会起業家として、社会を取り巻く様々な問題・課題への対応のため精力的に活動されている方です。

 今年1月、様々なご縁により渡邊さんと初めてお目にかかる機会をいただきました。キハダ、百草、百草丸に大変なご興味をお持ちくださり、キハダ植樹にお越しくださることとなりました。大変素晴らしいご縁をいただき、心より感謝しております。

 折角渡邊さんにお越しいただくことから、キハダ植樹後に希望者を集め、渡邊さんを囲み「座談会」を開催することとしました。渡邊智恵子さん、石黒和佳子が登壇し、まずは、弊社及び弊社のキハダに関する活動のご紹介をさせていただきました。その後、渡邊さんにキハダ植樹のご感想を伺い、更に座談会に参加されている皆様と車座になって意見交換を行いました。

未来の世代に残すもの

 冒頭、渡邊さんより「今、そこに参加している女のお子さん、お年はいくつ?12歳ですね?この12歳のお子さんに、美しく豊かな日本を残さなくてはならない。これは大人の私達の責任です。このことをどれだけ皆さんは考えていますか?」との問いかけがありました。私も含め、会場が一瞬ピリリとしたように感じました。口調は大変柔らかく、でも、とても本質的な問いかけです。

 「一次産業、二次産業が衰退すると、日本全体が衰退してしまう。しかし今の日本では、これらに従事しようとする人が大変少ない。」というお話もしてくださいました。百草、百草丸の主原料はミカン科の落葉高木キハダの周皮を除いた樹皮である生薬オウバクです。国内産生薬オウバクの入手は年々困難となっており、このことを通して、弊社でも林業人口の減少について、実感として感じているところです。この危機感に対し、具体的な行動を起こすことが重要とひしひしと感じました。

村の人が誇りに思う会社であれ

 この日、最も印象に残りましたのは「村の人が誇りに思う会社であれ」という渡邊さんのお話です。昔、米国テキサス州のとある村に出張で訪れ、昼食を取られた際、食堂で働く人から「どこへ行くの?」と尋ねられ、行き先の会社の名前を伝えると「ああ、あの会社は私達の誇りだよ」と言われたそうです。このことは深く心に残り、この後そう言われることを目標にして経営をされてきた、と教えてくださいました。

 村の人が誇りに思う会社になる、というのは本当に素晴らしいことです。一方で、容易なことではないと感じています。事業の目的である利益の創出・捻出のみならず、企業の目的である文化の創造を果たさなくてはなりません。弊社の経営理念に「社業を通して社会に奉仕する」がありますが、これを継続して実施して初めて誇りに感じていただけるのではないかと思います。

 弊社の創業者日野文平は「会社の経営の基本理念は六根清浄であり、それを具現するには先ず以て社会に奉仕する精神の発揚であります。しかし、この道はまた、やまみちを行くが如く、決して平坦ではありません。」という言葉を残しています。木曽の豊かな自然の恵みと人々に支えられ今日まで薬づくりを続けている日野製薬は、木曽の自然、そして人々の暮らしに様々な形で貢献することが、企業の目的であると思います。このことを改めて思い出す機会をいただきました。

木祖村には仲間がいる

 さて、この日のキハダ植樹と座談会には、株式会社湯川酒造店の第16代当主・代表取締役社長の湯川尚子さんが参加してくださいました。湯川酒造店さんは、昨年、世界最大規模のワインコンペ「International Wine Challenge」の日本酒部門で、最優秀賞である「Champion Sake」を受賞されました。まさに木祖村の誇りの会社様です。湯川さんは、豊かな発想と行動力にあふれ、パワフルで魅力的な女性です。最近色々な場面で、魅力ある木祖村の未来のため、企業としてどのように貢献できるか、意見交換をさせていただいています。その湯川さんが、座談会の中で「最近社員の皆がとてもうれしそうに働いている」とおっしゃったことがとても印象的でした。やはり素晴らしい会社においては、社員の皆さんが活き活きと働いています。社員の誰もが自らの成長を実感しながら活躍し、自分の会社に誇りを持つことが、周りの人が誇りに思う会社につながっていくと思います。弊社も頑張らなくてはと改めて感じ、大きな学びをいただきました。(湯川尚子さんのブログはこちらです)

 また、木祖村で美容室LEGOを営む古畑絵里さん、そのご友人の方々も参加してくださいました。座談会が終了した後、大変な熱量を持って、木祖村を良い村にしていきたい、そのためにどうしていくべきと思うか、という話を皆さんがしてくださいました。

 更に、信州大学の先生と生徒の皆さん、木祖村や木曽町に在住の方々、更には他の地域に住む個人参加者の皆さんから、それぞれの感じる課題や、こうありたいという考えについて、意見を述べていただきました。

 こんなに沢山の思いにあふれた人たちがいる、互いに切磋琢磨したらよいのだ、と思うと、大変な勇気と力が湧いてきました。この気づきは、今回座談会の開催を通して知ることのできた最もうれしいことの一つでした。自分たちで未来をつくり上げていくために、多くの人たちの力を結集し、できることから実行していきたいと思いました。

キハダについて

 座談会の終わりに、渡邊さんが「キハダの良さをもっと多くの方に知っていただくことが大切。キハダ、百草、百草丸、そしてそれらによって目指すところをもっと多くの方に広めていきましょう」というお話をしてくださいました。弊社の果たすべき役割について、何かすっと一本背中に通していただいたような気がしました。

 弊社は百草、百草丸づくり、そしてその主原料であるキハダの植樹と育林を通して、木曽の豊かな森、土、水の恵みを守るために微力ながら貢献していかなくてはなりません。木祖村は木曽川の源流の村です。この森林を守るため尽力することは、木祖村で社業を営む弊社の責任の一つであると考えています。また、自然の恵みを用いて健康を維持する暮らしの知恵を未来につなぐため、社員一同、出来る限りを尽くして頑張っていきたいと思います。

 渡邊智恵子さんには心から感謝しております。また、座談会にご参加いただきました皆様には、ご多忙の中、誠にありがとうございました。

日野製薬株式会社

代表取締役社長 石黒和佳子

  

<座談会について>

 2024年6月30日に、渡邊智恵子さんと再び「座談会」を予定しております。今回はより広く多くの方々にご参加いただきたいと思います。別途ご案内させていただきます。


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