縁(えにし)

2021年6月

hino_blog_enishi_202106.jpg(2021年6月)

 今年は例年とは異なる気候が続いています。5月に入っても寒い日があったり、暑く感じる日がありました。広葉樹の葉が開き新緑に囲まれる時期は例年通りでしたが、少し早めに梅雨入りしました。
 
 私は弊社の会長として様々な団体との交流活動を中心業務としています。例年、四月と五月に様々な会合があり、出張することが多かったですが、新型コロナウイルス感染の影響で、長野県外での会合には全く参加していません。

 出社も少なくなり、自宅で過ごすことが増えたので、以前とは違う色々な取り組みをしています。

 会長としての交流活動の業務に加えて週末に奈良井宿の直営店でお客様の応対をすることにしました。江戸時代の街並みの面影が残る奈良井宿には従来ほどではありませんが、週末には観光客がいらっしゃいます。時折お客様に「どちらからお出でになりましたか」と尋ねると関東、東海、近畿の地名のお答えが多くありました。恐らく、新型コロナ感染拡大を防ぐために自宅で過ごすことが多くなっているので、気分転換に家族で旅行をしていると思います。感染を防ぐために列車での移動でなく、自家用車で移動しているようです。

 二〇一四年に「木曽の自然を未来に残す」、「木曽の国際的なブランド力を上げる」ために木曽をユネスコ・エコパークに登録することを目指して木曽の方々と信州大学の地域戦略センターの準教授と研究員をメンバーとする検討委員会を設置しました。対象地域、自然環境の特徴、暮らし・文化、地域振興等を検討し、数年かけて申請書概要と申請書詳細をまとめました。大部分の町村長は申請の承認をしましたが、一部の町村長から承認を得ることができず、申請を断念しました。申請書詳細には木曽の自然・文化の特徴と魅力をまとめてあるので、一般の人が読みやすいように記述の仕方を変えて出版し、多くの方々に読んでいただきたく思っています。

 昨年から奈良井宿の自然を楽しみながら散策をしています。奈良井宿から山を隔てた伊那谷に行く昔の車道はほとんど車が通らず、木曽谷と伊那谷を結ぶ長野県道四九三号線と合流する辺りまで散策し戻ります。行きは国道一九号の鳥居トンネルの上を越えていくので登り道です。木々に覆われた山の斜面には落葉樹と常緑樹があります。四月後半ごろから落葉樹の葉が開き始め、五月に入り全種類の落葉樹の葉が開き、山吹の花が咲きました。三月下旬までの天気が良い日には戻る途中で車道から林の中の小道に入り、散策していましたが、狼のような動物が見えたので慌てて戻ったこともあります。四月以降には熊や猪が出ることがあるようです。

 自宅で過ごすときは本を読むことにしました。家には昔愛読したいろいろな書物がたくさんありますが、今は歴史小説を読んでいます。歴史小説の中には江戸やその周辺の土地について記述している文章があり、現在との違いに興味を持つようになりました。そこで菅野俊輔監修の「江戸「古地図」探訪」(宝島社)や国立国会図書館のホームページにある「錦絵で楽しむ江戸の名所」の絵図を見て当時の街の様子を確認しています。

 このように有意義な日常を送れるように工夫をしています。

 新型コロナウイルスの感染予防対策として各市町村で新型コロナウイルスワクチンの予防接種がはじまりました。私も第一回目の予防接種の予約をしました。予防接種により新型コロナウイルスの感染が収まることを願っています。
 


日野製薬株式会社
会長 井原 正登


日野製薬オンラインショップ