木曽の便り
中部東ブロック・ユネスコ活動研究大会 in 木曽(2日目)
地域振興の上で世界遺産、ユネスコ記憶遺産、ユネスコエコパークをはじめとする様々なユネスコの事業に期待する機運が高まっています。富士山が世界遺産に登録され、ユネスコエコパークに関しては、6月に南アルプスと福島県只見の新規登録、および、志賀高原の拡張登録が承認されました。
2日目は福島会館でユネスコエコパークに関する講演会を行いました。ユネスコエコパークは、生態系の保護・保全だけでなく「自然と人間社会の調和と共生」に重点が置かれています。
日本のユネスコエコパーク登録の審査機関「MAB計画分科会」主査の横浜国立大学学長鈴木邦雄先生に「『豊かな環境が地域を育てる』 - ユネスコエコパークを考える -」をテーマにした基調講演を通してユネスコエコパークの「自然と人との調和と共生」について、様々な視点からその大切さと価値について教えていただきました。
続いて、只見ユネスコエコパーク登録で中心的活動をされた只見町ブナセンター館長の鈴木和次郎氏に只見町の抱えている高齢化と人口減少の問題とそれに対する振興策の中の只見ユネスコエコパークの取り組みの内容、ユネスコエコパークの審査基準、住民の合意を得て活動することの重要性について講演していただきました。
ユネスコエコパークについての理解を深め、ユネスコエコパークが地域の自然の復興と発展につながる取り組みであることを教えていただき、今後の活動の参考になりました。
木曽は江戸時代に尾張藩の留山とヒノキ、サワラ、ネズコ、コウヤマ、アスナロの五木の伐採を禁止するという保護政策の一方で、日常生活に困らないように、それ以外の木材の利用を許可したので、伐採により適度な空間と明るさが確保され、天然更新された樹齢200年以上のヒノキ、サワラなどの天然林が残されており、まさしく「自然と人の調和と共生」の実例と言えます。木曽地域も是非ユネスコエコパークに登録したいと検討委員会で検討を進めています。
午後は希望者に対して開田高原周回と奈良井宿散策のバスツアーをしました。
開田高原は御嶽山を遠望できる景色の素晴らしい場所で、浅間山を遠望できる軽井沢のような高原です。残念ながら曇り空で御嶽山は全く見えませんでしたが、周回途中で素晴らしい紅葉を見ていただくことができました。写真は木曽馬の里で参加者が馬と触れ合っている様子を撮ったものです。
この後奈良井宿に行き、ガイドの説明を受けながら約1時間散策をしていただきました。
何とか参加者に満足いただくことができ、ほっとしています。