木曽の便り
奈良井夏祭り
毎年8月12日は奈良井の夏祭りです。奈良井は江戸時代の宿場の面影が残っているので、伝統建造物群保存地区に指定されています。
会社の用事を片付けて昼少し前に家に戻ると、家並みが立ち並ぶ旧街道には、カメラマンやお祭りのお囃子の装束を着た人たちで一杯でした。
街道に面した部屋でお祭りの行列をお迎えするのがしきたりです。11日の早朝に格子戸を外しただけで、まだ十分準備ができていなかったので、早速準備にかかりました。家は江戸時代後期に建てられたので、歪みがどうしてもあります。毎年苦労するのは格子戸内側の硝子戸と障子戸を外すことです。今年もうまく外せなかったので、車からジャッキを取り出し、蔵にあった手頃な長さの角材を持ってきて中間部分を持ち上げてようやく戸を外すことができました。
祭りの行列は鎮神社を12時に出発しますが、途中で各家でおもてなしを受けながら来るので、当家のあたりに来るのは4時過ぎです。2時過ぎに遅いお昼を食べて、行列を待ちました。行列が近づいてきたときに左の写真の屏風を広げて飾りました。これは子供のころから記憶にある慣習です。街道沿いの部屋は昔は和室でしたが、今は床になっているので、椅子を並べて行列を迎えることにしています。
隣の家の辺りに下町の人たちによる行列が来たので、簾をあわてて外しました。簾を外して部屋の中で正座して、神様をお迎えするのがしきたりです。
下町、上町、中町の順に行列が進み、家に入ってきた行列の若者たちや、役員の人たちにお酒やお茶や食べ物をふるまったり、話をしたりして過ごしましたが、全ての行列が通りすぎたの頃には6時前後になっていたと思います。
行列は下町まで行ってから、駆け足で戻ってきて鎮神社に行きます。私は翌朝に用事があり、10時頃に寝たために 戻りの行列を見ることはできませんでした。