木曽の便り
一心行者の掛け軸
今日、田島一心講の山田先生が、信徒の方々と王滝店に来店されました。
例年よりは遅い時間に来店されたので、お伺いしたところ、昨日の雨でお参りできなかった霊場へ今朝お参りに行ったためということでした。昨日は頂上付近は大変な雨と風のようでしたが、先生のお力で、皆様事故もなく元気な様子でした。私も王滝頂上の八丁ダルミで風で2メートルほど吹き飛ばされたことがあり、風の強さと怖さを実感しているので、皆様無事で本当によかったと思います。
日野製薬の創業者の日野屋には御嶽信仰普及に偉大な足跡を残した一心行者の直筆の掛け軸があり、その写真を山田先生に差し上げてありましたが、今日は山田先生が写真の一心行者直筆の掛け軸を持ってきたので、びっくりしました。日野屋の掛け軸に比較して小振りで細字ですが、字体は同じです。
入手の経緯をお聞きしたところ、講員の方が静岡の古道具屋で見つけて購入したもので、持ち帰ってお子さんに持たせたところ突然嘔吐したのでびっくりし、奥様も同じ症状を示したので、不思議に思い、先生にお納めしたということです。
御嶽信仰の歴史を示す貴重な資料や品々が御嶽講社の衰退とともに、流失したり、廃棄されることがあると聞いていますが、一心行者の師匠の普寛行者にゆかりの深い山田先生の手に一心行者の直筆の掛け軸が渡ったことには、不思議な力を感じます。