生薬とともに
キハダ皮むき ~キハダ一本から買います活動の広がり~

2021年に「キハダ一本から買います活動」を始めて4年が経過しました。今年は、木曽地域や長野県内の方々のみならず、県外の方々からも多くご連絡をいただくようになり大変有難く感じております。弊社社員が現場でご一緒にキハダ皮むきをさせていただくこともあれば、むいた皮をご提供いただくこともありました。ご協力をいただきました皆様に心から感謝しております。2025年の中で2つの事例をご紹介させていただきます。
長野県飯山市 2025年7月15~16日
最初にご連絡をいただいたのは2024年7月のことでした。弊社のキハダプロジェクトに関する新聞記事をご覧になり、所有者様かお問い合わせをいただきました。今から35年ほど前に、所有者様のお父様が防風林として家の周りに植樹されたそうです。しかし成長が早くかなり大木となり、ご自身もご年齢を重ねられる上でどうするか考えられるようになったそうです。お子様方も不要とおっしゃっているため、伐ることを決められました。キハダは全部で7本あり、そのうちの5本について伐倒、皮むきを行うことになりました。雌の木2本、雄の木3本ありました。
2025年7月15~16日に、弊社より7名の社員が伺い、皮むきを実施させていただきました。木曽森林組合様に同行をお願いし、伐倒、玉切りなどを行っていただきました。キハダはかなりの大木で、一番大きなものは直径85cmもありました。このような大木は見たことがありません。樹齢35年での成長スピードに驚き、飯山の雪深さを思いました。雌の木2本には、実が生っていて、葉は青々としてとてもきれいでした。樹皮のみならず、実、葉も採取させていただきました。


群馬県桐生市 2025年7月22~25日
2025年4月、所有されている土地にキハダが50本程度生えているが、太陽光パネルを設置する計画があり、伐採を予定しているとのご連絡をいただきました。50本もの本数が生えていることに大変驚きました。詳しくお聞きすると、当該土地は購入されたものであり、生育している木がキハダであることはご存知なく、たまたま電線に架かる枝を伐った際に電気事業者からキハダと教えられたということでした。50本ものキハダが生育している場所は希少なため、今後のために残される可能性はないか、念のため伺いましたが、既にご年齢を重ねられ後継者はなく、太陽光パネルの設置計画は決定していて進められているということでした。
2025年7月22日~25日に皮むきをさせていただきました。弊社から5名の社員が現地で作業をさせていただきました。また皮むき体験を希望される方々にも参加いただきました。酷暑の中、熱中症に気をつけての作業となりました。全部で51本のキハダから樹皮、及び一部実の採取をさせていただきました。


終わりに
上記の2例以外にも、多くの方々にキハダをご提供いただきましたこと、感謝申し上げます。「キハダ一本から買います」活動を通し、キハダのこと、及びキハダの樹皮は薬用に使われていることをより多くの方々に知っていただき、もし何らかの理由により伐られるキハダがあるならば、樹皮をご提供いただきたい旨を周知していくことができればと願っています。弊社のみならず日本全国でキハダ(生薬オウバク)が減少しています。一人でも多くの方にそのことを知っていただき、ご協力いただきたいと考えています。
また、「キハダ一本から買います活動」では、所有者様にキハダをご提供いただく前に、その経緯など可能な範囲でお聞かせいただいております。保全できるキハダは残していただきたいと考えているためです。活動を通して、日本全国に後継者のいない山林、土地、家屋敷が増えていることを感じております。次の世代を担う私どもは、単にキハダが手に入って良かった、とだけ考えることはできず、これらの問題についてもどうしたらよいのか考えながら、活動を継続していきたいと考えています。


