石黒和佳子社長ブログ

寒山の御礼参り

hino_blog_250207_ontakesan1.jpg(寒山の御礼参り)
 2月7日に、寒山(かんやま)の御礼参りを行いました。社員代表5名が、御嶽山の各所を巡り、寒山の無事とお客様ご来店を御礼し、新しい一年の身体健全と商売繁盛、社業発展を祈願しました。大変有難いお参りとなりました。

寒山とは

 寒山とは、御嶽山の冬山を示します。通常は、1月の初旬から2月の節分までの間であり、古くから御嶽山を信仰される方々が寒山参拝、寒山修行にお越しになります。弊社は、古くから寒山のお参りの方々を、御嶽山麓の店舗でお迎えしてまいりました。今年も多くの皆様がお越しになりましたこと感謝申し上げます。
  
 弊社の寒山の御礼参りは、節分後に日付を決めて行います。寒山の無事、多くのお客様がお見えになってくださったことの御礼、春分を迎え新しい一年の身体健全、商売繁盛、社業発展を祈願して、御嶽山の各所へお参りします。古くからの習わしであり、毎年続けています。
  
 今年はとても雪が深く、真っ白な世界でした。ハイエースに社員代表5名が乗り込み、王滝口の里宮神社、一心堂、清滝、十二権現、八海山、黒沢口の里宮神社へお参りさせていただきました。また、弊社の王滝店、里宮店それぞれの神棚、本社社殿にお参りしました。真っ白で静謐なお山でした。朝は雪が舞っていましたが、途中、何度か日の光がさして、空が明るく、とても有り難く思いました。

注取り

 毎年、移動の車中は、様々な話題で盛り上がります。今年の話題は「注取り」でした。注取りとは、お客様のご宿泊先の宿へ注文取りに出かけることです。昔は多くの方々がお山に来られ、一日のお参りが終わり、宿に入られて、お食事やリラックスされている時に、弊社社員が注文取りに出かけていました。
 あの宿にも注取りに行った、ここにも行った、と道中、運転しながら社員の一人が言い、皆でああそうだ、そうだ、と盛り上がりました。お酒が入ったりしているお客様からご注文をいただくのは大変だったそうです。夕方になると出かけて行ってご注文いただき、帰られる時までに店舗でお一人お一人のご注文のお品を準備して、お渡ししていました。見本のお品を持ち、白い前掛けに釣り銭を入れて、ご注文に対してお釣りは暗算で計算していた、当時の方が暗算が出来た、消費税がなかったから計算が楽だった、など、色々な話をしました。お山の八合目や九号目の小屋まで登って、注取りもしていました。
 また、バスに乗っての注取りもありました。お客様の乗られた大型バスに乗って、通路を歩きながらお一人お一人からご注文いただきます。二人体制でバスの止まっている場所へ行き、一人がバス乗り、一人は帰る、で、最終的にバスに乗っていた社員は、弊社店舗で下ろしていただいたそうです。バスの運行時に通路を歩くことを許された昔々の時代のことです。
 お一人お一人のお客様とのコミュニケーションの良い機会でもあったと思います。お山に来られるので楽しみにされているお客様方の弾むようなご様子と会話のやり取りが目に浮かぶようです。バスに乗るとまずはマイクを持ってご挨拶したそうです。また、遠くは愛知県まで出向いて、そこからバスに乗らせていただいてご注文取りをしていたこともあったそうです。バス何台もで来られるお客様があり、休憩で停車するたびに号車を乗り換えて注取りを行い、気づくともう木曽についていたそうです。
 色々な懐かしい話を楽しくしながら、お参りが終わりました。毎年毎年、寒山の御礼参りを無事にできることそのものがとても有り難いことです。今年も頑張っていく決心を皆で新たにしました。


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