縁(えにし)

2020年5月

hino_blog_enishi_202006.jpg(2020年5月)

 今年は暖かい日が続き、自宅の中庭の木々や山々の針葉樹と広葉樹が次第に新緑に囲まれ始め、木曽の自然の素晴らしさを感じています。

 昨年十二月に代表取締役を退任し、後任の社長と新規役員が会社の経営を行い、私は日野製薬の会長として様々な団体との交流活動を中心業務としています。

 例年、四月と五月に様々な会合があり、出張することが多かったですが、今年は新型コロナウイルスの緊急事態宣言により三密を避けるためにほとんどの会合が中止となりました。

 毎年この時期に国内外の観光客がたくさん訪れる江戸時代の街並みの面影が残る奈良井宿も閑散としています。御嶽山麓の参拝客や観光客も少なくて弊社の直営店の売り上げが減少しています。

 個人的には、三密を避けるための外出の自粛により歩くことがなく、人との交流がない日々を送ることはなかなか大変です。

 そこで日々、体力を鍛え、前向きに楽しく過ごせるように以下のことをして過ごしています。

 体力を鍛えるために、NHKのDVDを見ながら自彊術体操をほぼ毎日しています。自彊術体操は、手技療法士の中井房五郎氏が考案し、大正五年(一九一六年)に発表された、三十一の動作からなる体操で、約十五分かかります。ご興味がある方は公益社団法人 自彊術普及会のホームページをご覧ください。

 http://www.jikyou.com/index.html

 さらに「フィットネスバイク」で足腰を鍛えています。自転車をこぐようにペダルを踏みますが、重い負荷がかかっているので、こぐのが大変ですが、約十分間、音楽を聴きながら行っています。

 日々の生活を有意義に過ごすために、ふと思い出したのが、「人生の五計」という言葉です。中国の南宋時代に朱新仲が説いた「人生の五計」という教訓について、安岡正篤先生は「五つの計(はかりごと)」を実践して人生を送ることの大切さを、独自の視点から解説されています。

 「生計」人間の本質的な生き方に迫り、いかに生きていくべきか

 「身計」いかにわが身を人間として社会に対処していくか、何をもって世に立つか、いかなる職業・価値観をもって生きていくか。

 「家計」いかに家庭を営み、夫婦関係・親子関係はどうあるべきか、一家をどう維持していくか

 「老計」いかに年をとるか、「老」たるものの価値をいかに活かしていくか

 「死計」いかに死すべきか

 参照:人生の五計 困難な時代を生き抜く「しるべ」 (PHP文庫) 安岡正篤著

 年を取ってから、老計・死計を考えるのでなく、若い時から備えておくことがこの教訓の本義ですが、現在のような日常を前向きに過ごすために老計として実践すべきことについて考えることにしました。参考書として、中村天風氏の「運命を拓く」という本を読み始めましたが、天風哲学の素晴らしさには感動しました。内容が濃いので天風哲学を深く理解するには時間がかかると想定されますが、天風哲学を日々実践すればこれからの人生を楽しく過ごせると確信しています。若い人たちにも素晴らしい人生を送るためにこの書を熟読することをお勧めします。

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除されましたが、夏に向かって感染者の増加が収まることを願っています。

  

                       日野製薬株式会社

                       会長 井原 正登


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