縁(えにし)

2016年10月

今年は十月に入っても雨模様の日が多く、気温の高い日が続いたので、紅葉が遅れているように感じます。数日前から急に寒くなってきたので、下旬には里の紅葉も見ごろになると思います。

今年も7月2日に御嶽山の登山道整備を行いました。計画では黒澤口登山道の九合目までの整備予定でしたが、6月28日に御嶽山の入山規制の一部が解除されたので、案内人組合長の山下氏の提案で、湖沼では日本最高所(2905 メートル)の二ノ池までの登山道整備を行うことになりました。緩んだ枕木の補強や雨水が流れやすくする作業をしながら登りました。御嶽山噴火以降はパトロール隊の人たちが、登山道を歩きやすくしているので、以前のような枝払いはほとんど必要がなく、森林限界から上の岩場の道の両側にロープでしっかり張られているので、安全に登山できるようになったと感じました。かつては、強力(ごうりき)の人たちが食料などを背負子(しょいこ)に背負って山小屋まで運んでいましたが、今はヘリコプターで運搬します。山小屋は二ノ池から水を引いて浄化して飲み水に使っていましたが、噴火の影響で二ノ池の水が使えないので、木曽御嶽奉仕会提供のペットボトルの水を何本かリュックに入れて運び、休憩した山小屋に差し入れしました。剣が峰頂上まで整備作業を行っていた時は、二ノ池との分岐点に来ると頂上までもう一息と感じましたが、規制区域の剣が峰頂上までの登山道に間違って入らないように、道の両側にロープがしっかり張られているので、分岐点を通ったことも気が付かずに二ノ池に向かう道に入り、剣が峰頂上に向かう道からは見えなかった三ノ池が右手奥に見えました。二ノ池周辺は火山灰に覆われていて、噴火による影響があったことを感じました。

今回は整備作業に加え、清掃作業も行いました。人出で物を運搬した時代に、登山口から頂上まで行列ができたといわれるほど、登山客と御嶽信仰の信者の人たちが来たので、処分しきれないで残った空き瓶や空き缶がある場所があります。二班に分かれて二つの場所で、手分けして拾って集めたら、一か所で10以上の大きな袋いっぱいになりました。人出で運ぶには重すぎるので、ヘリコプターで降ろすことにしました。全部を取り除くには数年かかかりそうなので、来年以降も清掃作業を継続し、王の嶽と呼ばれた御嶽山にふさわしい姿にしたいと思っています。

地方創生の一つとして、訪日外国人旅行者が安心して快適に滞在して観光することができる観光地域づくりが重要な課題になっています。最近、木曽地域で外国人旅行客を見かけることが多くなりました。国道一九号を車で走っているとリュックを背負って歩いている外国人旅行客を見かけることがあります。自宅のある奈良井は江戸時代に中山道沿いの宿場町で、鳥居峠越えという難所があるので、宿泊する客が多く、奈良井千軒と言われるほど栄えたようです。当時の家並みが残っているので、昭和五十五年に重要伝統的建造物群保存地区に指定され、現在は観光地になっています。ここでは、日本人だけでなく外国人の観光客も多く、魅力ある観光地と言えます。

木曽地域は人口減少と高齢化で、地域の活力が衰えつつありますが、魅力的な観光地がたくさんあります。ところが、一昨年の集計によると、長野県の観光地を訪れる滞在型外国人観光客は年間約46万5千人いますが、木曽地域は僅か一万人です。木曽の観光地の知名度を上げる情報発信により滞在型の観光客が増え、地域の特産品の購入量が増えることにより、活力ある地域になってほしいと願っています。