縁(えにし)
2016年5月
今年は暖かい日が続き、四月の中頃から桜と桃が開花しました。例年は桜が散り始めたころから桃の花が咲きますが、今年は桜の白い花と桃の赤い花を同時に見るという例年と少し違う風景になりました。その後は、例年通りに、目に鮮やかな黄色い花の山吹が道沿いに咲き、次第に新緑に囲まれ始め、木曽の自然の素晴らしさを感じています。
数年前までは新緑の季節になると早朝散歩をして足腰を鍛え、七月の御嶽頂上での開山祭に備えてきましたが、年を取って来て行動が遅くなってきたためか、朝に散歩の時間を取ることが難しくなり、散歩をしなくなりました。車で通勤しているので、会社だけにいると日に千歩も歩かないことになります。
このような生活を続けていた報いでしょうか、ゴルフの飛距離が落ち、血流が悪くなったのか、足の冷えを感じるようになりました。年を取ってきたからやむを得ないと軽く考えていました。
ところが、昨年十月に地元のゴルフ大会で上松町の八十三歳の方と一緒にラウドしたところ、ドライバーの飛距離もあり、殆どのホールでパープレーでした。ゴルフ歴を伺ったところ、ゴルフを始めた年齢は遅かったようですが、長野県のシニアゴルフ・チャンピオンになったことがあるということでした。今年四月の木曽駒・宇山の会員交流ゴルフ大会で若手を抑えベスグロ賞を取りました。
年を取ったことを言い訳にするのでなく、この方のように八十歳を超えても元気でゴルフを楽しみながら、生活を送るようになりたいと真剣に考えるようになりました。
ふと思い出したのが、「人生の五計」という言葉です。中国の南宋時代に朱新仲が説いた「人生の五計」という教訓について、安岡正篤先生は「五つの計(はかりごと)」を実践して人生を送ることの大切さを、先生独自の視点から解説されています。
「生計」人間の本質的な生き方に迫り、いかに生きていくべきか
「身計」いかにわが身を人間として社会に対処していくか、何をもって世に立つか、いかなる職業・価値観をもって生きていくか。
「家計」いかに家庭を営み、夫婦関係・親子関係はどうあるべきか、一家をどう維持していくか
「老計」いかに年をとるか、「老」たるものの価値をいかに活かしていくか
「死計」いかに死すべきか
参照:人生の五計 困難な時代を生き抜く「しるべ」 (PHP文庫) 安岡正篤著
年を取ってから、老計・死計を考えるのでなく、若い時から備えておくことがこの教訓の本義ですが、遅ればせながら、直面している身体的問題を解決するために、日常的に実践すべきことを考えてみました。
安岡正篤先生は健康法として、時間がかからず、激しい運動を必要としない「真向法」を奨励しておられました。真向法は福井県の勝鬘(しょうまん)寺出身の長井津氏が考案された健康体操です。長井津氏は四十二歳の時に脳溢血で倒れ半身不随になりましたが、勝鬘経の礼拝などに基づく四つの動作を繰り返しているうちに健康体に回復されたそうです。この四つの動作(体操)が真向法であり、約三分でできます。
公益財団法人真向法協会のホームページで四つの体操の動画を見ることができます。
http://www.makkoho.or.jp/index.html
私は、以前から興味があった自彊術体操を、三月からほぼ毎日しています。自彊術体操は、手技療法士の中井房五郎氏が考案し、大正五年(1916年)に発表された、三十一の動作からなる体操で、約十五分かかります。この中には真向法の第二体操と第四体操が含まれています。公益社団法人 自彊術普及会のホームページでその内容を知ることができます。
http://www.jikyou.com/index.html
私は、NHKから自彊術体操のDVDを購入し、それを見ながら三十一の動作を覚えました。
のところ夜に自彊術体操をしていますが、朝、時間があるときに真向法にも取り組みたいと思っています。
更に、足の血流対策と脚力強化のために、股関節歩行をしています。膝を曲げないで、かかとから着地する歩行なので、自然と背筋が伸び大股になり、股関節の柔軟性も増します。
自彊術体操と股関節歩行を継続することにより、将来も健康生活を送ることができるようにしたいと思っています。