木曽の便り
天昇殿祭
毎年5月に御嶽山麓で御嶽信仰関係のお祭りが開かれます。5月17日に御嶽教の立教記念大祭が王滝村の歴代管長慰霊碑において行われ、5月23日に、木曽御嶽本教の合同慰霊祭が木曽町三岳の天昇殿において行われます。今回は天昇殿祭をご紹介いたします。
御嶽信仰には「死後霊魂が御嶽に還り、御嶽大神のお側にお仕えする」という霊神信仰があります。天昇殿は昭和53年に建立され、約2000体の霊神が納められています。
御嶽・乗鞍・駒ケ岳の三つの高い山が見えることから三岳という地名になったという由来どおりに、天昇殿に向かう途中から、御嶽山・乗鞍が、天昇殿から木曽駒ケ岳が青空の中にくっきりと見えました。右の写真は雲一つない御嶽山です。
木曽御嶽本教の管長・役員をはじめ、全国各地からお出でになった先達・信徒の方々、地元の来賓の総計約300名が参列して、合同慰霊祭が執り行われました。神事の中に開田の宮司による御神楽奉奏があり、参列者による玉串奉奠がありました。私も来賓代表として、玉串奉奠をいたしました。
木曽御嶽本教の先達・信徒の方々は、1月に寒山参り、5月に天昇殿祭、7、8月に夏山参り、10月に祖霊殿慰霊大祭と年4回御嶽山にお出でになります。これ以外に、霊神碑の掃除にお出でになる方もおられ、先祖を大切にするお心には頭が下がります。是非子供たちにもこの行事を伝えていって欲しいと願っています。