木曽の便り
ユネスコの森の植樹
昨日、木祖村中学校の3年生、村長・副村長・教育長を始めとする役場職員、村会議員、村民合わせて約60名が参加して、「ユネスコの森の植樹」をしました。
昨年3月に伊勢神宮の宮域林の見学に行ったときに、平成25年の遷宮のときに、木曽檜だけでは不足なので、宮域林の間伐した檜と青森のヒバを使うということと、200年計画で大正末に宮域林に檜の植林をして育てていることを聞いて、大変にショックを受け、木曽山の再生をしないといけないと強く感じました。また、檜の間に生えている広葉樹が土砂の流失を防いだり水源の涵養に重要な働きをしていることを知りました。
「木曽山の再生」の第一歩として、子供たちに植林の大切さを知ってもらうために、みかん科の広葉樹キハダの植樹を実施しました。前の日に添え木を立てて植える場所が分かるようになっていたので、鍬で添え木のそばに穴を掘り、100本の苗木を植えました。村長も生徒と植樹しました(下の写真)。作業しやすくなっていたのと、予定以上に参加者が多かったので、瞬く間に植樹が終わりました。
民蘇堂野中眼科の野中先生(松本ユネスコ協会会長)のご好意で所有している山林の一部を「ユネスコの森」として提供していただいた上に、間伐や下刈り、添え木の設置などの準備作業をしていただき、感謝にたえません。野中先生の木祖村菅のご自宅は江戸時代からの眼科医療器具や寺子屋の資料などの資料館になっていて、先生が在宅のときに閲覧できるようになっています。江戸時代に山林を通っていた古道の復元のために草木を切り取って整備を進めておられます。先生の姿勢には頭が下がる思いです。
植樹したキハダは約20年位で内皮を百草・百草丸の原料として使用できるようになります。生徒たちが大人になり、家族と共にこの地を訪れて、生育したキハダの木を自慢できるようになってほしいと願っています。